恥ずかしながら、つい最近まで自宅の無線LANのSSIDを、2.4GHzと5GHzで逆に覚えていたため、自宅の無線LAN対応機器の大半を、2.4GHzの方で接続していたのでした。
無線LANのアクセスポイントは、NECのAtermWG1800HP2を使用しており、規格は11acに対応しています。
つまり、5GHz帯での高速通信に対応したアクセスポイントのため、11nにしか対応していない2.4GHzで接続していては、宝の持ち腐れとなります。
慌てて主要な機器は5GHzのSSIDへ切り替え始めた所、自宅で使用しているLenovoのT440pは、11nの2.4GHz帯にしか対応していない事が判明。そこで、11acの5GHz帯へ対応するため、無線LANのモジュールを換装する事にしました。詳細は続きで。
まずはこちら。Windowsのデバイスマネージャーで確認すると、IntelのWireless-N 7260という無線LANモジュールが入っている事が分かります。

Nの部分は、無線LANの11nを指しています。後で新しい方を紹介する際に詳しい事を書きますが、あっさりした表記で、単一周波数帯にしか対応していない事が分かります。
今回は、11acに対応した、「Intel Dual Band Wireless-AC 7260」という無線LANのモジュールを購入する事にしました。
注意しなければならないのは、Lenovoの一部のノートPCは、無線LANのモジュール認識にBIOSでのプロテクトがかかっており、対応していないものを装着すると、エラーコード「1802」のエラーが発生し、PCが起動しなくなります。
そのため、LenovoのPCで無線LANモジュールを換装する場合、前述のLenovo純正のもので、対象PCの型番に触れてあるものを選ぶ必要があります。
Lenovo以外でも、同様のプロテクトがかかっているPCもあるかもしれませんので、購入前に少し調べてみた方が良いでしょう。また、モジュールを挿すスロットの形状もいくつかあるようなので、そちらも対応したものを選びましょう。
特に制限が無い場合は、最新の11ax、いわゆるWi-Fi 6とBluetooth5に対応したモジュールがお安く出ていますので、そちらを選ぶ方が良いかもしれません。
無事に購入でき、早速換装……に入る前に、まずドライバーを落としておきましょう。7260ファミリーであれば、こちらからダウンロードする事が出来ます。
ネットワークカードや無線LANのモジュール交換などでありがちなのが、ドライバーを落とすのを忘れたまま換装し、ネットワーク接続もできず、ダウンロード出来ないので元の物に戻してダウンロードし直し……というミスです。
これは結構な手間になりますし、面倒なので、忘れずに事前に準備しておくようにしましょう!
それでは、いよいよ換装に入ります。ノートPCをひっくり返し、まずはバッテリーを外しておきます。うっかり通電してしまい、ショートなどしてしまう事を避けるためです。
サイズの比較のために置いてある、ギターのピックの左側にあるのが、無線LANのモジュールが入った袋です。この袋が、エアキャップ付きの封筒に直で入っていて、大丈夫か?と思いましたが、今回は特に曲がったり、損傷したりといった事は無かったようです。
T440pの場合、赤丸部分のねじを外して、カバーを手前側にスライドさせるだけで、簡単にカバーを外す事が出来ます。

カバーを外した画像の前に、無線LANのモジュールを開封して、アップで写真を撮ったもの。いかに小さいかが、よく分かると思います。
モジュール右上の1と2の番号が振ってある部分が、アンテナを接続するためのコネクタです。後でここにアンテナ側のコネクタを差し込みます。

ノートPCのカバーを外した写真がこちら。赤丸で囲った部分が現在装着されている無線LANモジュールとアンテナです。
余談ですが、このPCは再生備品を手に入れたものなのですが、購入時はHDDだったため、SSDに換装してあります。

換装のために、まずアンテナを外します。丸で囲ったコネクタを2つ、基板から外します。爪で挟んで、少し引っ張れば簡単に外せます。形状的な問題から、プライヤーなどで摘まむ場合は、潰さないよう力を入れすぎないようにしてください。
コネクタを外すとねじが見えるので、このねじも外します。ねじを外すと基板が浮くので、引っ張って外します。

外したものの写真はこちら。新しく換装する方と、コネクタやねじ穴の位置などが一致している事が分かります。

アンテナ側のコネクタ裏側のアップはこちら。ぱちんとしっかりはまる形状になっています。

それでは、換装します。アンテナのうち、根本の被膜がグレーのものを2に。黒い方を1にぱちっとはめます。先にアンテナをはめてから、アンテナが外れないようゆっくりとスロットに差し込み、最後にねじを締めて固定します。

その後、背面のカバーをしてねじを締め、バッテリーをつけて起動します。問題なければWindowsがそのまま立ち上がります。
問題がある場合はエラーメッセージが出て、起動が止まります。「1802エラー」が出た場合は、装着したモジュールが対応していない型番のもののため、諦めて元のものに戻すしかありません。
それ以外のエラーの場合、差し込みが甘い部分があるため、再度カバーを外してチェックします。
無事に立ち上がった後は、事前にダウンロードしたドライバーをインストールし、デバイスを認識させます。認識すると、デバイスマネージャーには次のように表示されます。

Dual Band Wireless-AC 7260と表示されていればOKです。11nの方はN 7260、11acの方もAC 7260と、7260部分は同じなのでややこしいですが、こちらはDual Band対応で、2.4GHzと5GHzに対応した11ac規格に対応している事が分かります。
換装前のN 7260で計測するのを忘れていたのですが、AC 7260で2.4GHzと5GHzでそれぞれ速度計測をしたので、こちらも紹介しておきます。最初が2.4GHz、次が5GHzです。


契約しているISPがWAKWAKで、ここはあまり速度が出ないのですが、それでもその範囲内で、2.4GHzと5GHzで速度差が出ている事が分かります。
続いて、フレッツ網内の速度結果です。NTT東日本の測定サイトで測定しているため、ISPから外に出た所の速度測定だけではなく、フレッツ網内の、外側の影響を受けない部分の速度確認も出来るようになっています。


外部の影響を受けづらいフレッツ網内の場合、倍近い速度差がある事が分かりました。これはちょっと、今後は2.4GHz帯では繋いでいられないですね……。
2.4GHz帯ですと、他にも電子レンジやBluetoothなどの2.4GHz帯を使う機器の電波干渉を受けたり、特に家庭内だと安定した通信を阻害する要素が多く存在しています。
無論、5GHzが全ての面で良いか、というとそういう訳でもなく、屋内での壁を挟んだ通信などでは、5GHzより2.4GHzの方が安定して通信を行えるケースもあります。
しかし、我が家のように、ほとんど無線LANのアクセスポイントやルーターが見えるような範囲でしか、ノートPCやスマートフォンなどを使わない場合は、5GHz接続が圧倒的に快適に通信を行えると思います。
もし調べてみて、ルーターやアクセスポイントが5GHzに対応しているにも関わらず、子機側が2.4GHzにしか対応していない場合は、今回紹介したように、5GHzで接続出来るようにしてみてはいかがでしょうか。
数千円程度であれば、十分元は取れるくらいの快適さを得られます!