やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。の9巻を読んだので、感想。

そろそろ、クライマックスに向けて物語の動きに変化が出て来ましたね。若干ネタバレも含みます。

本作は、タイトルに反して青春ラブコメというより、人の心の機微の難しさ、というものを分かりやすく物語として描いた作品だと思います。

主人公の高校生である比企谷八幡、ヒロインである雪ノ下雪乃、由比ヶ浜結衣が所属する奉仕部に、様々な問題が持ち込まれ、それを周辺人物の協力を得たり、あるいは巻き込んだりしながら解決をしようとする、という部分がメインとなっています。

主人公が過去のトラウマから周囲との関わりを避け、孤立するいわゆる「ぼっち」ポジションを貫いていたものの、奉仕部に入るように言われ、以降様々な人々との関わりを持っていきます。

ここまではよくあるパターンで、その結果主人公がどんどん成長していってハッピーエンド、みたいな流れになるかと思いきや、本作は違います。

持ち込まれる問題も、高校生っぽいお気軽な問題かと思いきや、友達と友達、人と人との関係から出てくる、微妙な心の問題が最終的には表れてきます。

主人公の八幡は、ぼっちであるが故に、人の力を借りず、一人で問題を解決していこうとします。しかし、その方法は自分が悪者になったり、自分も傷つく事で、自分を含まない相談者を含む環境がギスギスしないよう、無理矢理解決するような、いびつな方法となっています。

性悪説のポジションを取り、人の負の心の機微を読む事で、良いとは言えないが一応の解決を見る方法を取っていく事により、周囲との溝が徐々に深まっていき、それが更に自分を苦しめていく事になります。

悪手と分かっていながら、それが問題をこじらせずに最短で解決する手段であったり、自分が悪者になれば解決するのであればそうしてしまう、そんな経験がある人だと、とても痛いくらい八幡の考え方は理解できるし、また結果についても想像がついてしまう事も多いでしょう。理解はできるけど、共感はできないような、そんなやり方です。

そのような事を積み重ねて、結果として広まった周囲との溝や、凍り付いた関係が、八幡が自らの心情を仲間に明かす事で、物語が今までと違う方向に動き出すのが本巻になります。

結果的には今までと解決の仕方が大きく変わってはいないものの、最後に残ったそれぞれの気持ちの部分に、今までのような後味の悪さはなく、どこかやりきった達成感がしっかりと残る形で終わっています。

ライトノベルという事で軽く見られがちな分野ですが、人と人との関係が分からない、とか人の気持ちが分からない、という人は、本作を一巻から読んでみると良いかもしれません。

また、積み重ねと転機に行った判断が、その後に八幡に与えていく影響なども、八幡が自ら振り返る事により、分かりやすく彼がどこで誤り、どうなり、そして彼は本当に望む事のためにどうしたのか、分かりやすく表現されています。判断に後悔が多い人も、読んでみても良いかもしれません。

そろそろクライマックスに向かっていくようですが、最後に彼らにハッピーエンドが待っている事を期待したくなる一冊でした。

Amazonの書影はっつけて気づきましたが、イラストも最初の頃とはタッチが大分変わっていますね。


「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。」への2件のフィードバック

  1. この作品面白いですよね、アニメで知りました。絶妙なタイミングで2期が放送されるのでラノベも同じタイミングで終わるんですかね?

    1. 面白いです!そういえば、アニメもやっていましたね。録画だけしていて、観るのを忘れていたので、連休中にちょこちょこ観てみます。
      ラノベの方は微妙ですね。あと2巻か3巻くらいは続きそうな気がします。
      アニメも、1期が体育祭までだったようなので、2期も評判良ければ3期でラストまで、とかになるかもしれません。
      2期からはもっと面白くなると思いますよ。

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