コレクター 不思議な石の物語

今回はライトノベルではなく、ミステリー。絵がついているのは表紙だけ。

ハードカバーで出ていた『「童石」をめぐる奇妙な物語』を改題して文庫化したもののようです。

怪しくも不思議な石を巡る、オカルトのようなミステリーのような話です。

冒頭は、工事現場で童石という童(子供)の身体の一部がリアルに浮き出た石が見つかり、謎の業者がこれを引き取る話をするシーンから始まります。

そして、空耳のように聞こえた子供の「母ちゃん。」という声……ホラーっぽい始まり方です。

次にシーンは変わって、主人公の登場。主人公は木島耕平という高校生。彼が祖母の回想をしているシーンから、祖母の葬式のシーンへ。

そして、祖母の遺言を守るため、祖母の遺体の口に小さな黒い石を入れ、火葬。その後、苦労しつつ自宅で祖母のお骨の中からこの石を回収する、という怪しいシーン。

この儀式を経た石は、死人石と呼ばれ、この石を林という不思議な石を収集している老人に渡しに行く事になります。ここから話が展開し、主人公はいくつかの不思議な石と関わる事になっていきます。

主人公の通う高校で、ふとした事から教師であるナオミ先生に不思議な石の話をする事になり、このナオミ先生がかつて幼少期に童石に触れた過去がある事から、話が本格的に展開していきます。

そして、最後には散りばめられた伏線が収束し、なかなかきれいに繋がります。

解説にもありますが、話自体は一気に盛り上がる感じではなく、やや勢いに欠ける部分があります。しかし、それを補う登場人物の魅力と、そのやり取りで飽きずに読ませる話になっています。

この手のオカルトミステリーにありがちなドロドロした話ではなく、伏線も投げっぱなしではなくきちんと回収されるため、読後感は非常に爽やかですっきりしています。

今の所、シリーズ化はしておらず、この一冊しか出ていないようですが、かなり魅力的な登場人物が多いため、是非シリーズ化して欲しい一作です。

そんなに期待しないで買ったのですが、これは良い掘り出し物でした。


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