のうりん9

のうりんの9巻。今回も笑いあり、涙ありの展開で満足。

今回は体育祭と文化祭、販売日の巻。

濃いというかほとんど変態なキャラばっか出て来て、基本的には良い意味で馬鹿っぽい話しかないのですが、所々差し込んでくるシリアスで少し重い話がアクセントになって、飽きないお話になっています。

農業高校を舞台にしたお話のため、農業の話を主軸に、こちらも良い意味で狂ったようなドタバタ劇が毎回繰り広げられます。

単純に読んで笑いたい人にもおすすめですし、どこまでが真実に近いのか分かりませんが、私をはじめとする一般の人が農業や農業高校にに対して抱いている誤解や幻想を打ち消すような、農業の今の話もあります。

他の人はどうか分かりませんが、自分では一次産業というものは大切にしないといけないものだと思っているので、こうしたテーマを扱ったお話で、かつ若い人が楽しめるものは、とても素晴らしいと思います。自分は一次産業の従事者ではない上に、ただのおっさんですが。

答えが出ない農薬の是非について、良い面と悪い面との両方をきっちり描いて、その上理想論で終わらず現実的に考えるとどうなのか、という所まで突っ込んでいます。きっちりした答えはやはり出ないのですが、しかしこれは読者自身も考えていかないといけない問題であり、材料を提示した提起というだけで十分素晴らしい事だと思います。

こんな感じに真面目な話もありますが、ほとんどは良い意味でろくでもない話ばかりで、極めつけは主人公の担任であるベッキー先生絡みの話でしょう。

当初は、婚期を逃した著しく若作りをしているアラフォー教師……だったのが、巻を追うごとに手の付けられない、規格外の化け物として大暴れしていきます。この笑撃は是非読んでいただきたいと思うので、詳しくは触れませんが、現人神ならぬ現人祟り神としか言えないレベルにまで進化していく様は、圧巻としか言えません。

しかし、化け物キャラ扱いしかされなくなっていたベッキー先生が、本巻のラストでは……。これは読んでのお楽しみです。

話も、ドラゴンボールやらガンダムやら特攻の拓のパロディやらで、主要読者層と思われる十代の人なんかはさっぱり元ネタが分からないかもしれませんが、私のような三十代のおっさんには突き刺さる事間違いなし。腹抱えて笑えます。

基本笑えて面白く、その一方で教訓的な話もあり、楽しんで読むお話としては、とても優れた作品だと思います。暇が出来てなんか本でも読んでみるか、と思った人には是非手に取っていただきたい一作です。


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